学習用のシミュレーションです。 実機の配線・通電作業は、電気工事士などの資格と社内ルールに従ってください。作業前は必ず電源を切り、ロックアウト(施錠・表示)と検電をしてから触ります。非常停止は「止めるための最後の手段」で、修理・点検のための電源遮断(ロックアウト)の代わりにはなりません。 実機の非常停止回路は規格(JIS B 9960-1 など)と社内ルールに従い、安全リレー等が要る場合があります(要確認)。シリンダは空気の力で動きます。 電気を切っても、電磁弁の位置と配管に残った空気で動くことがあります。機械に手を入れる前は、エアの元栓を閉めて残圧を抜きます(手順は社内ルール・要確認)。
電源AC100V AC200V(単相) DC24V
リレー・タイマーのコイルAC100/110V AC200/220V DC24V
表示灯・ブザー・回転灯の定格AC100V AC200V DC24V
電磁弁のコイルAC100V AC200V DC24V
タイマー TR の設定1秒 2秒 3秒 5秒
ブザーの音を出す
部品を電源に合わせる
制御線の太さ0.5mm² 0.75mm² 1.25mm² 2.0mm²
電源引込みの太さ1.25mm² 2.0mm² 3.5mm²
推奨の太さにする
制御電源 SS:切
伸ばす PB1
縮める PB2
非常停止 EMS
CP を切る
動作中はブザーと回転灯で知らせる — このページの回路
PB1 → CR1 が保持 → タイマーが数える間はブザーで予告 します(基礎7 と同じ)。数え終わると TR の限時b接点 12-4 が開き、同じ 12 の限時a接点 12-8 が閉じます。ブザーは 12-8 → 線14 で鳴り続け 、同時に 9-5 → 線12 で SOL1 と回転灯 RL に電気が入ります。
回転灯を線12(SOL1 と並列)につなぐ理由 SOL1 に電気が入っている=シリンダを伸ばす指令が出ている間だけ回ります。数えている間は回らないので、「予告(ブザーだけ)」と「動作中(ブザー+回転灯)」を見分けられます。
ブザーに 12-4 と 12-8 を両方つなぐ理由 タイマーの 12 は c接点(b側 4・a側 8)です。予告は b側、動作中は a側を通り、どちらかが閉じていれば鳴ります(並列)。片方の線を外せば「予告だけ」(基礎7)や「動作中だけ」に変えられます。
この回路の限界 伸び切って止まっても SOL1 に電気が入ったままなので、ブザーと回転灯は続きます。縮める時(PB2)は CR1 が切れるので、何も知らせません。回路がシリンダの位置を知らないからです。基礎9 で上昇端・加工端のセンサーを付け、位置を見て動く回路にします。
現場で決めること(保全担当と要確認) 回転灯の色(表示の色の決まりは JIS と社内ルールで要確認)、取付場所(盤の絵では扉に描いていますが、実機は盤の上や機械のよく見える所)、動作中ずっとブザーを鳴らすか(うるさくて止められてしまわないか)、定格電圧(このページでは表示灯と同じ定格にそろえています)。
大事:ブザー・回転灯は「人に知らせる」ためのものです。 危ない所に人が入れない・入ったら止まる仕組み(安全柵・非常停止など)は別に設計します(要確認)。
タイマーで「ワンクッション」置く — 安全な設計の考え方
基礎2〜5 の自己保持の回路は、ボタンを押した瞬間にリレーが切り替わり、すぐに機械が動きました。仕組みは分かりやすいのですが、実際の機械では「押した瞬間に動き出す」「動いている途中で急に向きが変わる」ことになります。タイマーでひと呼吸(ワンクッション) 置くと、人と機械にゆとりができます。
① 動き出す前に知らせる(基礎7 の回路) PB1 を押してから設定の秒数だけ待って動きます。この間にブザーや回転灯で周りに知らせ、手や体を離す時間を取ります(始動の予告)。ブザー・回転灯は「CR1 が入っていて、TR がまだ数えている間」だけ鳴らすのが一般的な組み方です(基礎7 で配線しました)。
② 向きを変える前に一呼吸 このページでは、伸びている途中で PB2 を押すとすぐ縮む向きに変わります。重い物を動かしていると、機械や製品へのショックが大きくなります。「止める → タイマーで少し待つ → 逆向き」にすると、ショックを減らせます。モーターの正転・逆転の切替でも同じ考え方を使います(具体的な時間は機械ごとに要確認)。
③ 切り替わりの重なりを防ぐ 相手の b接点で切るインターロック(基礎2〜)に加えて、切り替わりの間を少し空けることで、両方の出力が一瞬でも同時に入らないようにする設計があります。
基礎2 とのつながり 自己保持は「指令を覚える」、タイマーは「いつ動かすかを決める」役目です。この2つの組合せが、自動運転の回路の基本になります。
大事:タイマーは安全装置の代わりにはなりません。 非常停止・安全柵・安全リレーなどの安全機能は、規格(JIS B 9960-1 など)と社内ルールで別に設計します(要確認)。タイマーは「人と機械にゆとりを作る道具」です。
空気圧回路とシリンダ
空気の圧力0.3MPa 0.4MPa 0.5MPa 0.6MPa
実物の配管(例)と部品の選び方
上の記号図と同じ回路を、実物に近い形で描いた一例です。①〜⑧は下の表と同じ番号です。部品の形・向き・ポートの並びは機種で違うので、形式とねじの大きさはメーカーのカタログで確かめます(要確認)。
シリンダのポートのねじM5 Rc1/8 Rc1/4 Rc3/8
電磁弁へのつなぎ方継手一体(チューブを直接さす) ねじ穴(継手をねじ込む)
電磁弁のポートのねじRc1/8 Rc1/4 Rc3/8
チューブの外径φ6 φ8 φ10 φ12
チューブの材質ナイロン(硬め・形がくずれにくい) ウレタン(柔らかい・曲げやすい)
シリンダ側の継手スピコン付きエルボ(メータアウト) エルボ継手(速さの調整なし)
電磁弁の排気サイレンサ 継手+チューブで離れた所へ逃がす
電磁弁〜シリンダの長さ(片側)1m 2m 3m 5m
番号 部品 選んだ内容 数 SMC の例 決めるときの見どころ 状態
回路図(シーケンス図) 線をタップ → 盤の中の同じ線が光ります
電源につながっている線 つながっていない線 電流が流れている 足した線
制御盤(扉を開いたところ)と電磁弁 扉のボタンも押せます
回路を直してみる
線を選んで「外す」、または「線を足す」で端子を2つタップ(使っていない接点 1・2・3・7・11 もつなげます)。下のボタンはよくある誤配線です。
線を足す
伸ばす側の保持線(CR1 5→13)を外す
タイマーを飛ばして配線(CR1 6 → SOL1)
SOL1 をタイマーの b接点 9-1 に配線
12-8 → ブザーの線14 を外す(基礎7 のまま)
回転灯を線3 から直接つなぐ
CR1 を通さずに線3 → TR 12 に配線
表示灯の線を0番に短絡
正しい回路に戻す
使っている機材
「決定」は教材で標準とした機材。「仮」はまだ決まっていない部品で、一般的な例を入れています(要確認)。
記号は JIS C 0617(電気)・JIS B 0125(空気圧)に準じた簡略表示です(要確認)。リレーは接点が足りないので、2極の 形MY2 から4極の 形MY4 に替えました(コイル13-14、9-5/9-1・10-6/10-2・11-7/11-3・12-8/12-4。端子番号はオムロンのカタログで要確認)。ソケット PYFZ-14 上のねじの並びは模式で、実物で要確認。タイマー TR はオムロン H3Y-2(オンディレー・ソケット PYFZ-08)で、端子番号・設定できる時間の範囲はカタログで要確認。限時接点・ブザー・回転灯の記号は簡略表示です(JIS C 0617 の記号は要確認)。電磁弁は2位置ダブルソレノイド(形式は要確認)で、電気が切れても最後の位置を保ちます。そのため非常停止や SS「切」でもシリンダは動き切ります。非常停止でシリンダをどう止めるか(残圧を抜く・3位置弁にする など)は、後のインターロック・安全設計の章で選びます。表示灯 PL1・PL2 はリレーの状態(伸ばす指令・縮める指令)を表すだけで、シリンダの実際の位置ではありません(位置はオートスイッチで見る=後の段)。電磁弁は機械側にあるので、実機では端子台やコネクタを通すのが普通です(基礎では線番で直接追います)。シリンダの速さ(約1.5秒で伸び切る)は例で、速度制御弁で調整します。非常停止ボタンの端子番号(b接点11-12)は一般例で要確認。電線の色は社内ルール(交流の制御線=黄・直流=青)。電源の引込み=黒、太さの推奨値、PB・PL・CP と押しボタンの端子番号(a接点13-14)は一般的な例で要確認です。制御電源は切替スイッチ SS(a接点 13-14・入で閉、端子番号は一般例で要確認)で入れ、その後ろに非常停止 EMS を入れています。EMS を戻しても動き出さないのは、運転の回路が自己保持だからです。自己保持を使わずに直接動かす出力があると、EMS を戻した瞬間に動き出すので、設計で防ぎます(要確認)。リセットボタンは無く、電源(CP)を切ると最初の状態に戻ります。基礎の回路は端子台を使わず線番で追います(端子台は入出力の点数や外部からの取り込みが増える段で使います)。リレーは押した瞬間に切り替わります(実物も20ms以下)。時間を置いて動かすのがタイマーの役目です(基礎6)。